最終更新日 令和3年1月4日
関西森田の会 報告書
Vol.4 2013.05.17
【関西森田の会概要】
目的
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関西圏での森田療法家の育成と親睦
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関西圏での森田療法に関する勉強会、セミナー、イベント等の開催及び紹介
(森田療法の研究と実践ノウハウの共有、高度化)
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関西圏での森田療法のコア施設づくり
対象者
森田療法に興味がある全ての方
運営
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年会費:なし
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活動費:実費
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代表:仲野 實(ナカノ*花クリニック)
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事務局:ナカノ*花クリニック(TEL:072-234-0879)矢野
【4月20日(土)関西森田の会第4回講習会の報告】
案内書の郵送がなかったにも関わらず、14名が岡本記念財団の会議室に集まり、岡本重慶先生のとても厚みのある話を聞きました。話は案内書に載せた下の絵から始まりました。
「森田療法は森田正馬先生の“食べ残し”のチョコレートでしょうか?」
森田先生は極めて好奇心旺盛な方で、古今東西のいろんなものに(もちろん当時発売間もないチョコレートにも)手を出し、その食べ残しを知ることによって森田療法の深みを理解することができます。森田に先立つ多くの先哲の知恵、特に中医学、自然良能、禅的思想などの東洋的な叡智(プレモリタ)にまで溯りながら、しかし「不易」の部分を忘れずに時代に合った新しい流行の姿をとっていかねばならないでしょう(不易流行)。
さて、岡本先生の膨大な資料から5点だけを挙げます。
1:森田は聖徳太子の「世間虚仮 唯仏是真」から「事実唯真」という言葉をつくったというのが定説。
2:幕末の漢方医 今泉玄祐は中医学の「移精変気」の概念を拡充し「人ハ七情ニ由テ病ヲ生ズルコト多キ者」と言い「移精変気」で癒すことができるとした。
3:森田は三浦守治を引用しながら「凡そ病の療法は自然良能を幇助して、之を発揮増進せしめ、以って常態に復せしめ、更に進んで病に対する抵抗力を益々増進せしむるにある」と言う。
4:森田の「精神交互作用」は、呉 秀三の門下精神科医 中村 譲の「相互呼応論」を継承したものである。
5:鈴木 知準も書いているが、元禄期の禅僧 盤珪の不生禅は森田の「あるがまま」に極めて似ている。曰く「怒り、腹立や、惜や貧やのおこるを止(やめ)ふとおもいはっしゃっても、・・・おこる念を止ふとたしなみましたぶんでは、永代おこる念と在る念がたたかひまして、止ぬ物でござる。・・・それは出次第にいたし、其念を重ねてそだてず、執着致さず、おこる念を止ふとも、やめまいとも、其念にかかわらざれば、おのずから、止ひでは叶ひませぬ」。
森田正馬はこうした先行するさまざまな知恵を集団的家庭的臨床実践の中で積み重ね一療法として完成させました。思うに、私達も旺盛な好奇心をもって学際的なさまざまなものに手を出し、日々の臨床実践の中で経験を積み重ね、近代が終わる新たな時代に合った森田療法を創出していかねばならないのではないでしょうか。
【4月20日(土)関西森田の会例会の報告】
講習会が終わった後、岡本記念財団の赤井さんの厚意で会議室を提供していただき、ビールや食べ物を買ってきて例会に移りました。岡本 重慶先生のボリュームいっぱいのお話にアルコールが入り、かつ場所の移動もなく、落ち着いた雰囲気の中で今までにない親睦的で深みのある例会になりました。親鸞の影響は如何だとか、札幌のデイケアクリニックがやっている様な生活的実践が必要ではないかといった話もありましたが、枚方市民病院の中野さんが言い出した「森田にはユーモアが必要だ」には全員が賛同しました。
☆第5回 関西森田の会講習会
テーマ:「生活の発見会の歴史と課題」
担当:村田 豊彦(生活の発見会 関西支部長)
日時:7月20日(土)16:00~18:00
場所:岡本記念財団事務局会議室
☆第6回 関西森田の会例会(親睦会)
日時:7月20日(土)講習会終了後
場所:岡本記念財団事務局会議室
会費:1000円
講演会紹介
第132回 心の健康セミナー ~不安とうつの森田療法~
プログラム:「不安・うつとのつき合い方~森田療法からより良い生き方を考える~」
演者:久保田 幹子(法政大学現代福祉学部教授)
日時:6月22日(土)13:30~16:30
場所:神戸市勤労会館 3F 講習室308
主催:財団法人メンタルヘルス岡本記念財団
【謝罪】
前号の報告書を会員の皆様に郵送し忘れご迷惑をお掛けしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。今後はこのようなことが起こらないよう気を付けます。 (矢野)